経済アンテナ

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中国の人口が100年後には5億人に減少?

現在分かっているだけでも13億人、統計に含まれない人数を加えると15億人とも17億人ともいわれ

 

世界第一位の人口を擁する中国ですが(19世紀末の世界人口とほぼ同数)、近年の人口抑制政策による

 

少子高齢化の加速により、「100年後には人口5億人に減少する」と中国人口学専門家の易富賢(イー・フーシエン)氏が

 

予測しました。これほどの少子高齢化を招くようになった中国の人口抑制政策とはどのようなものなのでしょうか。

 

今回は、中国の人口抑制政策の中でも特に有名な「一人っ子政策(正式名称は計画生育政策(簡体字:??生育政策)」にスポットを当ててみたいと思います。

 

中国では建国以来、急激な人口増加が進んだことにより、食糧問題、エネルギー問題などが発生しました。人口増加に危機感を抱いた共産党政府は、対策として1979年から「子供は1人でよい」とする一人っ子政策を実施しました。しかしいくつか例外もあり、

 

・漢族(中国の人口の92%を占める)に次いで人口が多いチワン族以外の少数民族に対しては免除される。

・中国人(厳密には漢民族)同士の夫婦のみに適用されるため、夫もしくは妻のいずれかが外国人もしくは少数民族の場合、この政策は適用されない。

・中国国内の漢民族同士の夫婦でも、香港やマカオは適用対象外地域(一国二制度)である。

・双子以上の多胎児の場合、全員が戸籍を持つことが許可された。

 

この政策により、中国はある程度の人口抑制に成功しましたが、その一方で

 

・二人目以降の子供が生まれても出生登録をせず、戸籍に反映されないため行政サービスを受けられない「黒孩子」(ヘイハイツ)の増加。

・この政策は違反すると罰金を払うことになるが、逆に「罰金と引き換えに、第二子以降も産める」ため、特に高額所得者に対してはあまり効果がないこと。

・2人の親と4人の祖父母の計6人(全員存命であった場合)の大人から一身に愛情を受けて育つため甘やかされ、小皇帝(シャオ・ホァンディ)とも呼ばれることがある。

 

このような問題から最近、条件付きで中国全土で第2子が認められることになりました。

 

しかし、易富賢氏の試算によると、1975?2010年に生まれた一人っ子は約2億1800万人。年を追うごとに一人っ子家庭の数は増加している一方、00年の人口調査によると、出生1万人のうち360人が10歳になる前に死亡。25歳になる前に463人、44歳になる前に760人が死亡し、一人っ子2億1800万人の母親のうち、約1000万人が51歳になった時には子供を亡くしている計算になるそうです。

 

さらに、同氏によると、中国でも女性の晩婚化が進み、少子化が一層加速。現在1.7の出生率が今後ますます低下し、人口は10年以内に減少に転じるとみられています。

 

加えて国連の予測では、2100年の中国の人口は現在の半分以下の5億人まで減る見通しがでているということです。。